これからの声優は「マルチ」であれ

「日本のテレビアニメ業界」だけを見ていたら、たしかにチャンスは少ないかもしれない。

 しかし実は、開拓しさえすればいくらでもチャンスは「作れる」のだ。

 だから、これから声優を目指す方々にも、「新時代の声優」としての視点を持ってもらいたい。

 

 

 新時代の声優とは何か。

 テレビアニメはもちろん、映像・舞台・ゲーム・インターネットなどなど、どんなメディアにも対応できるスキルをもつ声優、ということだ。

 たとえば、前述した僕たちの会社の所属声優・佐藤祐吾は、ミュージカル『テニスの王子様』などに出演する、舞台俳優であり、ラジオのパーソナリティとしても活躍中だ。バンドを組んでいる声優もいる。

 

 

 特に必要なのは技術だ。歌える声優は、アニメ作品にもキャスティングしてもらいやすいからだ。

 アニメの主題歌を声優に担当させる、と言う傾向が強くなっている。

 ふた昔前は、いわゆる「アニソン歌手」が歌うのが主流だった。

 1990年代には、アニメと関係のないロックバンドや歌手が歌うというトレンドもあった。今も、誰もが知るような国民的なアニメに関していえば、ミュージシャンが担当することが多い。今、僕が出演している『ドラゴンボール超』も、吉井和哉さんがオープニングテーマを歌っている。

 そうした例外を除くと、大半のアニメでは「声優が歌わないとCDが売れない」という事情があり、出演キャラクターにオファーがくる。

 視聴者も、それを求めている。

 

 

 二次元のキャラクターに「萌える」ファンの方々は、三次元に生きる実在の声優にも憧れを持つ。この両者が、どんどん融合していくことで、声優とファンとの距離が近づいているのも顕著な傾向だ。

 だからこそ、新時代の声優には「マルチな技能」が不可欠なのだ。

まずは事務所に所属するためにオーディションを受けてみてはどうだろうか。

このミュージックバンカーという事務所は所属オーディションで一人あたり30分も時間をとってくれるらしい。